台湾日語教育学会 J-GAP TAIWAN第32回例会(全文PDF)
日時:2015年6月7日(日) 13:30~17:00 (12:30~受付)
主題:JFS B1レベルの活動デザイン -「まるごと日本のことばと文化 中級1(B1)」試用版を例に-
場所:(公財)交流協会台北事務所 B1 文化ホール
講 師:藤長かおる先生
司会: 工藤節子先生(東海大學)
賛助:国際交流基金
参加者:32名(大学、中等教育、補習班の日本語教師、院生)
時間 | 内容 |
13:30- | 発表者 紹介・挨拶0.先生の紹介
1.本日の流れ 1.海外のB1レベル学習者のための学習デザイン 2.ワーク「まるごと 中級1(B1)」教材分析 3.授業の実際と今後の可能性 2.教材の内容紹介 海外のB1レベル学習者のための学習デザイン 自立した言語使用者とは ・日常的なコミュニケーションであれば、日本語を使って自分でたいていのことを行える。 →・オーセンティックなテキストでも扱える。 ・全て理解できなくても課題が遂行できる。 ・日本語の限界はストラテジーで補える。 教材作成で重視したこと ①海外で、実際にありそうな場面・タスク ②できるだけオーセンティックな素材の使用 ③わからないものがあっても気にしない態度を養成 ④ストラテジーの育成を重視 ⑤学習者の気づき、モニターを重視 ⑥異文化理解につながるトピックと活動 トピックは多岐に渡っている。 トピックの流れ 1.聞いてわかる。 2.会話する。 3.長く話す。 4.読んでわかる。 5.書く。 教材作成時の留意点 海外の学習者にとっての課題遂行 場面、目的、タスクを明確にして設定 ↑ これを達成するための練習・素材のデザイン |
14:20- | 実際の教材分析話し合い
Part1準備+聞く (一班目)①ストラテジー ②素材のトピック性 ③タスクの順番 (二班目)①場面-言語形式の気づき ②トップダウン形成 ③課題遂行の爲のストラテジー育成 ⇒・聞き手の立場を明確化した、目的をもった聞き取り ・段階的に理解する。 ・ストラテジーに注目する。 ・理解したことから言語を学ぶ。 Part2 会話する (三班目)①会話の流れ ②場面内の人間関係 ③練習の一貫性 (四班目)①自然な会話の流れ、表現 ②耳からの学習 ③汎用性 ⇒・海外でありそうな会話場面の課題遂行 ・会話のインプット ・言語項目の練習 ・会話のストラテジー ・發音 ・ロールプレイ Part3長く話す (五班目)①基本から応用へ ②会話の流れの形式を ③まとまりのある内容 (六班目)①最終的に自己表現 ②思考活動 ③段階的な手順 ⇒・実際にありそうな会話場面で、特定の相手と、まとまりのある話をする。 ・モデルテキストを聞く。 ・表現の確認。 ・再話 ・言いたいことを話す Part4 (七班目) ①ジャンル ②タスク ③ストラテジーの構成 ⇒・文脈のある読解(どんな場面で何の目的でこのテキストを読んでいるのか) ・内容の理解が目的 ・ルビがない素材を読む。 ・様々なフォントに接する。 ・読むためのストラテジー ・スキーマの活性化と予測 ・自分の意見を話す/自国と比較する。 Part5 (八班目) ①レアリア ②自己表現 ③実際的、実用的 ⇒・実際にありそうな場面での「書き」 ・キーボードでの入力が前提、手書きができなくてもよい。
これまでとの違い ・読解分を用いた表現の学習が中心 ・細部まで全部理解することを期待しない ・コントロールされたテキストもあり、実際の言語使用にながるように |
Q 電子版にすることはできるのか
A 電子版での出版も考えている。部分部分で教材を使うことは現時点ではまだ検討中である。 Q 海外を対象とした理由は何か A もともと基金は海外について日本語教育を考えている。タスクを考えると、海外と日本国内どこでも使える教科書は難しい。 |