台湾日語教育学会 J-GAP TAIWAN 第36回例会(全文PDF

日時: 2015年11月7日(日) 13:30~17:00 (12:30~受付)
主題:「Can-do形式の目標を掲げた活動の実践報告 -成果と課題-」
場所: (公財)交流協会台北事務所 B1 文化ホール国立交通大學語言教學中心
講師:上條純恵 (交通大學語言教學中心講師)
   工藤節子(東海大學日本語言文化学系助理教授)
司会:工藤節子(東海大學日本語言文化学系助理教授)
賛助:国際交流基金
参加者:19名(大学、中等教育、補習班の日本語教師、院生)

時間 内容
13:30- 発表者 紹介・挨拶

0.先生の紹介

1.本日の流れ

Can-Do形式の目標と評価を取り入れること

その課題

・説明責任

・カリキュラムの透明化

・アーティキュレーション

・学習履歴

・学生への意識付け

・教師観の共有

・総括的評価

・形成的評価

・達成感

実際の課題

・評価項目と評価方法

・教材

J-GAP Taiwan第36回月例會a

J-GAP Taiwan第36回月例會a

・シラバス(文型シラバスの配列→活動シラバス、それに伴う構造シラバスの再配列)

・シラバス(談話研究がおいついていない)

・パフォーマンスを導く要素の解明(文化理解、思考、他のスキルとの関係等)

・授業の進め方 学生の意識

・Can-doの目標は教師が設定

・実用性とは

話題提供(授業実践)→ 成果と課題の共有

授業紹介→上手くいったのか、失敗したのか→どうしてそう感じるのか→教師はどんなことに疑問を抱いたのか→Can-doの成果と課題

13:45- 上條純恵先生 交通大学の授業

・日本語を使って、日本人に挨拶ができる

・日本語を使って、日本の昔話を分かりやすく使えることができる(グループで)

・グループで桃太郎は「鬼退治」に行くべきだったのか?について討論し、賛成・反対の理由をまとめることができる(中文)

・いろいろな立場から物を見ることができる

・ディベートとは?

 

活動をする目的

学生の実態

考えていること、頭の中に描いていることが日本語で表現できない。

自分とは関係がないことは、関心が持てない。

 

Can-doの目標

日本語を使って、日本の昔話を分かりやすく伝えることができる(グループで)

活動 桃太郎の動画(3分)を見た後で桃太郎のはなしを再現することができる。

手順;①語彙導入②動画を見る③グループで確認作業④⑤

 

達成できたか

「桃太郎の話を再現することができる」

予備知識と合わせるとできていたのではないか。

上條先生としてはあまりできていなかった。

課題;どうやって評価するのか。

キーワードを使うように指示した。

・知らない人に伝わるように説明するようにさせた。

・評価基準を作った。

 

Qどうして桃太郎の話を再現させるようにしたのか。

A理解できることを自分の言葉で表現できることはいいことではないか。

案;いろいろなバージョンがあるから、それぞれのグループが知っている話を語らせてはどうだったのか。

Q学生のレベルは。

A自由に集まるクラスなので、グループ活動を多くして問題はグループで補い合うようにしている。

案;話すことが得意でない学生は中国語でもなかなかうまくないのではないのだろうか。得意な学生は上手く話すことができるのではないだろうか。

案;物語が何を伝えたいのかを考えさせる活動でもよいのではないか。

案;単語が合っているので、どんな文であっても話がそれらしく分かってしまう。

案;うまい語り方を競わせるのもよいのではないか。

案;評価させた時にどうしてその点になったのかを考えさせるべきだったのではないか。

 

上條先生 物語を再現させることはどういうことなのか評価基準をしっかりさせるべきだったのではないか。

 

活動2

桃太郎は鬼ヶ島へいくべきだったのかどうか。

 

案:○○の立場から見た場合、悪いとはどうなのかということを考えさせるとよかったのではないだろうか。

上條先生;物事を決めるとき無意識的に決定していることを意識化して決定させていこう。

案;鬼の事を考えようということを考えさせてはどうだろうか。

J-GAP Taiwan第36回月例會b

J-GAP Taiwan第36回月例會b

案;物語中に不思議に思われたことなどを言わせてみてもよかったのではないだろうか。

 

どこまで何をさせたいのか何を評価したいのかをはっきりさせた方がいいのではないか。

 

15:30- 小池先生 職業訓練高校の授業実践

文法の授業の教科書と会話の授業の教科書はどちらも文法シラバスの教科書である。

 

授業実践例

自己紹介、物の紹介

最初は先生から一人の学生に聞いて、キャッチボールのようなやり取りをする。

一人の学生発表したあと、次の生徒に指名してさっきの生徒が何を紹介したのかを聞く。

発表した内容を先生がエッセイ集(A4一枚)にまとめて印刷して配布する。

延長線として物の紹介とかも練習の課題になる。「どこの」「値段」「外見」など。

一人が発表したあと、ほかの学生徒に質問をさせる。

J-GAP Taiwan第36回月例會c

J-GAP Taiwan第36回月例會c

→大学生だったらポスター発表させて、学生同士に討論させる。

 

自己紹介のコンテンツとしては、「台湾からきました」じゃなくもっと詳しい情報、例えば「南投からきました」。学生同士の練習だけじゃくて、先生からもっと質問した方がいい。「南投のどこから」「趣味はなにか、いつやるか」とか。

 

問題と考察

・活動に飽きてしまう。

→・練習の爲の活動となってしまって面白くない。

・活動自体が実生活とつながらない。

・内容が薄い。

・指示されて動くだけで、自分から積極的に参加しようとしない。

→・初めに与えられた指示だけに従って、自ら質問したりしない。生徒は受け身の状態である。

・発表を拒む学生もいる。

→・例えば「家族紹介」では、家庭に事情のある生徒は、話したくない。

 

Qなぜ活動なのか

日本語の練習のために活動をするのか。

→それは、授業の場をどう捉えるかという問題。

知識の伝達や、練習の場である。

 

Q目標は到達できているのか。

練習して覚えたことを発表した。

→タスクとしては「できた」かもしれないが、それは本当に「できる」ようになったと言えないのではないか。

J-GAP Taiwan第36回月例會d

J-GAP Taiwan第36回月例會d

 

教師の考える実用性と学生が考える実用性の違い。

 

現在までの結果

・文脈に根差したやり取りをするので、その場で日本語での交流の場となる。

 

Q目標は達成できているのか。

Q;先生がまとめて配布するのではなくて学生側の活動ができるのではないか。

A;学生が達成観を得られた。

字を打つ練習も含めて。

 

発表して終わりという形じゃなく、成果物(エッセイ)がもらえて内的動機づけを高めようとすること。

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